自治体の見守りサービスって何があるの?
費用はかかる?
うちの親も対象になる?
一人暮らしの親が心配で、利用できる支援が分からず、迷っていませんか?
実は、多くの自治体が高齢者向けの見守りサービスを用意しています。ただ、内容や費用、利用条件は地域によってさまざまです。



看護師として30年以上、体調が急変して入院する高齢の方を見てきたからこそ、親の異変に早く気づける備えが大切だと感じています。
この記事では、自治体の見守りサービスの種類・費用・利用条件と申し込み方法をまとめました。
自治体のサービスが対象外だった場合や、それだけでは不安な場合に、民間の見守りサービスで補う方法もあわせてお伝えします。
読み終えるころには、親が使える支援の探し方がわかり、親の状態に合った見守りを選べるようになります。
高齢者見守りサービス|自治体で利用できる例


自治体の見守りには、緊急通報、センサー、訪問・電話などの方法があります。
複数の方法を組み合わせた制度もあり、内容は地域によってさまざまです。
それぞれの仕組みと、異変があったときの対応を紹介します。
緊急通報システムはボタンやペンダントで助けを呼ぶことができる
急な体調不良や転倒で助けが必要になったとき、ボタンを押すだけで通報できる仕組みです。
機器は、自宅に設置するタイプのほか、首から下げるペンダント型もあります。
通報を受けたセンターは、まず状況を確認。そのうえで家族へ連絡や、救急車を手配したりします。
自治体によっては、警備員が駆けつけてくれるところもあり、対応の内容はさまざまです。
たとえば大阪市では、ボタンを押すと受信センターにつながります。
センターが状況を確かめ、協力者や親族への連絡、救急車の出動要請までを担ってくれます。
電話をかける余裕がないときでも、ボタンひとつで助けを呼べる。それが、いちばんの強みです。
出典:大阪市「緊急通報システム事業」
センサーによる見守り|生活の変化から異変を知らせる
センサーによる見守りは、本人が何も操作しなくても、毎日の暮らしの動きから異変に気づける仕組みです。
カメラの映像に頼らず、普段の生活の動きだけで見守れるのがよい点ですね。
自治体で扱うものには、たとえば次のような種類があります。
- 人感センサー:室内やトイレなどで人の動きを捉える
- 見守り電球:照明の点灯・消灯を確認する
- 電力使用量による見守り:普段の電気の使い方から変化を捉える
一定時間反応がないなど、いつもと違う状態が続くと、家族や受信センターに知らせが届きます。
使える機器や通知の条件は、自治体やサービスによって異なるので確認が必要です。
たとえば大東市では、ヤマト運輸のLED電球を使った見守りがあります。
一定時間、電気のオン・オフがなければ、登録した家族へ自動でメールが届く仕組みです。
家族がすぐに駆けつけられないときは、営業所のスタッフが代わりに訪ね、安否を確かめてくれます。
大阪市では、緊急通報システムに人感センサーや電力使用量の見守りを追加できます。ただし、どちらも月額のオプション料金が必要です。
出典:大東市「6つのあんしん・見守りサービス」
訪問・電話による見守り|人とのやり取りで安否を確認する
定期的な訪問や電話で、本人の安否や体調を確かめる方法です。
人と話す機会がほしい親や、見守り機器に抵抗がある親には、取り入れやすい選択肢です。
たとえば葛飾区では、社会福祉協議会が平日の午前中に乳酸菌飲料を届けています。
配達員が一声かけて手渡しし、その場で安否を確かめる仕組みです。費用は1本あたり10円です。
出典:葛飾区「ひとりぐらし高齢者毎日訪問事業」
電話で見守るサービスもあります。文京区では、区のコールセンター職員が週1〜3回、1回10分ほど電話をかけます。
異変を感じたときは、登録した緊急連絡先に知らせてくれます。利用は無料です。
出典:文京区「高齢者等見守りあんしん電話」
もうひとつ、地域の事業者がふだんの仕事のなかで見守る仕組みもあります。
静岡市では53の事業者が協力しています。配達などで訪れたときに異変に気づけば、地域包括支援センターや市へ連絡が入ります。
出典:静岡市「高齢者見守りネットワーク推進事業」
- 新聞や郵便物が数日分たまっている
- 洗濯物がずっと干したままで、雨が降っているのに取り込まれない
- 玄関で声をかけたのに、対応ができない
こうした事業者による見守りは、申し込みの必要がありません。
地域全体で、さりげなく親を気にかけてくれる仕組みです。親が住む地域に同じような制度があるかは、自治体のホームページで確認できます。
自治体の高齢者見守りサービスは無料?費用と利用条件
自治体の見守りサービスには、無料で利用できるものもあります。
ただし、通話料や駆けつけ費用が別にかかる場合もあるため、実際の自己負担を確認しましょう。
緊急通報システムの費用の例
| 自治体 | 月額利用料 | 別にかかる費用の例 |
|---|---|---|
| 大阪市 | 前年所得税非課税世帯は無料、課税世帯は940円 | 駆けつけは月330円+1回7,700円 |
| 郡山市 | 無料 | 電気料金・電話通信料金 |
| 八千代市 | 無料 | 通話料の目安は月150〜300円 |
※大阪市の駆けつけは、別途申し込む有料オプションです。
電話や訪問による見守りも、制度ごとに料金が異なります。文京区の見守り電話は無料。
佐賀市の訪問による安否確認は、訪問のみなら1回120円です。
出典:佐賀市「安否確認事業」
利用対象になるかは、年齢・世帯・所得などで決まります。
例えば、八千代市では65〜74歳の一人暮らしは要支援・要介護認定が必要です。
別府市では、一人暮らしの場合、年金収入とその他の所得の合計が200万円未満という条件があります。出典:別府市「別府市ひとり暮らし高齢者等緊急通報システム」
申し込みには、協力者や合鍵の準備が必要な場合も。郡山市では近隣の協力者2名以上、八千代市では警備会社への合鍵の預託が必要です。
これらは全国共通の条件ではありません。親の住む自治体へ、費用・対象条件・必要な準備をまとめて確認しましょう。
探し方と、窓口で聞くことは、このあとの章でくわしく説明します。
※2026年10月27日確認。主な費用・条件を抜粋しています。表の自治体名から、各市の公式ページを開けます。
自治体の高齢者見守りサービスは、どこに相談すればいい?
相談先は、親が住む市区町村の高齢福祉の窓口か、地域包括支援センターです。
離れて暮らす子どもからの問い合わせでも、きちんと対応してもらえます。
介護の相談も考えているなら地域包括支援センターへ


制度の名前や対象の条件は、自治体ごとに異なります。ホームページで見つからないときは、直接電話で尋ねるのが早いでしょう。
どちらに連絡しても、必要な部署へ話はつながります。
親の介護申請も視野に入れているなら、地域包括支援センターがおすすめ。
保健師や社会福祉士、主任ケアマネジャーといった専門職がそろっていて、見守りと介護の相談をまとめて聞いてもらえるからです。
電話の前に、親の今の様子を整理しておきましょう。
- ひとり暮らしか、日中ひとりになる時間があるか
- 最近気になっている変化(物忘れ、転倒、持病、食事管理など)
- なぜ見守りが必要だと感じたのか
この3つを伝えられると、親に合ったサービスを提案してもらいやすくなります。
申し込む前に確認しておきたいこと


見守りサービスの内容は、自治体によって異なります。窓口で詳しく聞き、親の暮らしに合うものを選びましょう。
聞きたいことは、事前にメモしておくと安心です。電話口で慌てずに済み、聞き忘れも防げます。
- 親の年齢や暮らし方で、対象になるか
- 月々の利用料と、ほかにかかる費用
- 近所の協力者や、合鍵の預け先は必要か
- ボタンを押したあと、誰が駆けつけてくれるのか
- 申し込みから使い始めるまで、何日くらいかかるか
とくに戸惑いやすいのが、緊急通報システムの「協力員」です。協力員とは、ボタンが押されたときに親の家へ駆けつける人のこと。
近所に住む人を2人ほど登録するよう求める自治体が多く、なかには3人必要なところもあります。
「近所づきあいがない」「頼める人がいない」という家庭も少なくないでしょう。
そんなときは、協力員の代わりに警備員が駆けつけるしくみがないか、窓口で聞いてみてください。月数百円の追加料金で利用できる自治体もあります。
あわせて確認したいのが、合鍵の扱いです。警備会社に合鍵を預ける方式なら、応答がないときでも家に入って様子を確かめてもらえます。
預けていない場合、警備員は室内に入れません。救急隊がドアや窓を壊して入ることもあり、その修理代は自己負担になります。
協力員がいないからと、あきらめる必要はありません。代わりの方法がないか、まずは相談してみましょう。
自治体で対象外だったら|民間の高齢者見守りサービスを検討する


自治体の見守りが対象外でも、民間サービスを利用する方法があります。まずは利用料の補助がないか確認してみましょう。
民間サービスの費用を補助する制度がないか調べてみる
自治体によっては、民間の見守りサービスを使うときに、費用の一部を補助してくれます。
横浜市では、市が登録したサービスを利用すると、月額から最大1,000円が補助されます。対象は市内に住む65歳以上のひとり暮らしの方です。
出典:横浜市「高齢者見守り・安否確認機器補助事業」
補助の対象や申し込み方法は、制度ごとに異なります。契約する前に「親が対象か」「希望する商品に使えるか」「いつ手続きするか」を確かめてください。
対象外の場合は親の状態から民間サービスを選ぶ


補助を利用できない場合も、必要な機能を絞れば、費用を抑えた見守りから検討できます。
基準は、親の状態に合わせて見守りサービスを選ぶことです。
高齢者見守りサービスの選び方
- センサー型:まだ元気だけれど安否が心配な親に
- 駆けつけ型:持病や転倒が心配で、家族がすぐ様子を見に行けない親に
- カメラ型:物忘れや体調の変化を目で確かめたい親に
親が自立して暮らしているなら、月額500円台から使えるセンサー型が手軽です。駆けつけをオプションで追加できるサービスも選べます。
持病があり、近所に頼れる人がいない家庭では、緊急時にスタッフが駆けつけるサービスを検討しましょう。



看護師として、異変の発見や治療が遅れる怖さを感じてきました。一人暮らしでは、親が助けを呼べないと、誰にも気づいてもらえない心配があります。
異変を知らせるだけでなく、誰が駆けつけるかまで考えておくことが大切です。家族がすぐに動けない場合は、オプションも含め、駆けつけを頼めるサービスが安心につながります。
親の状態に合う選び方や料金の違いは、こちらの記事で詳しく比較しています。
参考記事:現役看護師が徹底比較|高齢者見守りサービスおすすめ5選


自治体の高齢者見守りサービスでよくある質問
- 自治体に、人が訪問してくれる見守りはありますか?
-
あります。自宅への訪問や、配達時の声かけで安否を確かめる見守りです。
内容や費用、利用条件は自治体によって異なります。親の住む市区町村の高齢者福祉窓口や、地域包括支援センターへ相談しましょう。
- 自治体の緊急通報システムは、ペンダント型も選べますか?
-
ペンダント型を用意している自治体もあります。利用できる機器は、親の住む自治体へ確認しましょう。
対象外の場合は、民間のペンダント型も選択肢です。種類や親に合う選び方は、こちらの記事で紹介しています。
- 郵便局のみまもりサービスは、自治体でも利用できますか?
-
日本郵便が提供する有料サービスですが、自治体が導入している例もあります。訪問や電話で親の様子を確かめ、家族などへ報告する仕組みです。
自治体を通じて利用できるかや費用負担は、親の住む市区町村の窓口へ確認しましょう。
- 離れて暮らす子どもが、親の代わりに申し込めますか?
-
家族による代理申請ができる自治体もあります。ただし、申請方法は自治体やサービスによって異なるため、事前の確認が必要です。
親が住む自治体の窓口で、代理申請ができるかを聞いておきましょう。郵送やオンラインでの手続き、必要な書類もあわせて確認しておくと安心です。
まとめ|自治体の高齢者見守りサービスで親の毎日を守る
一人暮らしの親の見守りは、まず親が住む市区町村で、利用できる支援を確認しましょう。 サービスの内容や利用条件は、自治体によって異なります。
- 緊急通報型
- センサーや電力使用状況による見守り
- 訪問や電話による見守り
親の住む地域で利用できるかに加え、民間サービスの費用を助成する制度があるかも、窓口で尋ねてみてください。
自治体の対象外でも、一人暮らしの親を見守る備えは大切です。親の状態や、家族が駆けつけられるかに合わせて、民間サービスを検討しましょう。
看護師として働くなかで、異変に気づくのが遅れ、救命につながらなかった場面にも立ち会ってきました。
家の中で一人で倒れると、誰にも気づかれないまま時間が過ぎてしまう。それが何より心配です。
できることから見守りを始めて、大切な親の命を守る備えを整えていきませんか。
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