親の介護が突然必要に!介護方針・希望の確認ポイント【第2話】

突然起こる親の介護に備える②:親の介護の選択肢と希望を知っておこう【シリーズ記事のアイキャッチ画像】 介護のはなし

こんにちは、看護師歴30年のさくらです。

親の老いと向き合いながら、50代の今を大切に暮らしています。

突然始まることの多い「親の介護」。

ある日、病院からの一本の電話で状況が一変する――そんな経験はありませんか?

このブログでは、看護師としての経験を活かし、

家族や患者さんから寄せられるリアルな声をもとに、

同じ立場の方へ役立つ情報をお届けしています。

今回は、**「親の介護方針・暮らしの希望を知る」**ことの大切さをお伝えします。

娘と高齢の両親が自然の中を散歩しながら、今後の介護について話し合っている様子のイラスト

いざという時にあわてないために、次の3つのことを意識しておくことが重要です。

  • 「両親の“意向”を事前に知っておくこと」
  • 「施設の種類を含めた選択肢を理解しておくこと」
  • 「自然な会話で意向を確認しておくこと」

例えばこんなこと、確認できていますか?

  • 親は自宅で過ごしたいのか?
  • 施設に入ることも考えているのか?
  • どんなサポートが必要なのか?

これらをあらかじめ知っておくだけで、介護が必要になったときの選択がスムーズになり、

家族として冷静に対応することができます。

「親の介護方針を知ることは、家族にとっての心の準備」です。

この記事を読めば、親の介護が突然必要になったときにも、落ち着いて対応できるようになります。

病院でよくあるシーン:親の希望と家族の葛藤

患者さん
患者さん

「家の段差でつまずいて、転んで手をついたら折れちゃって・・・」

娘さん
娘さん

「普段元気で暮らしてるから、母から連絡が来てびっくりです!」

看護師
看護師

「大変でしたね。

明日からの入院ですが、当日手術で翌日には退院できますからね。

手術翌日の午前中には帰れますよ。」

娘さん
娘さん

「えっ!困りますけど。

 私達姉妹は全員働いていて、母は一人暮らしなんです。

もとに戻るまで、入院させてください!」

看護師
看護師

「お気持ちはお察しいたします。

主治医から説明があったように、術後はリハビリ通院になります。

今回のことをきっかけに万が一に備え、今後のことを家族で話合えるといいですね。」

患者さん
患者さん

「私は自宅が一番いいから、施設とか老人の集まりは嫌!」

娘さん
娘さん

「お母さん、私達だって仕事や家庭があるのよ!」

口喧嘩がはじまる…………

*この会話は、看護師としての経験をもとに再構成した一例です。

実際には病院・ケアマネジャーなどの専門職に相談しながら進めましょう。

万が一に備えて、親の意向を話し合っておこう(在宅 or 施設?)

今回のケースは「骨折で急遽手術→すぐ退院」という流れでしたが、

突然の入院って、実は意外と身近に起こるんです。

たとえば、脳出血や脳梗塞で倒れて…なんてことも、珍しくありません。

そんなとき困るのが「このあと、どうする?」という話。

親の希望は…

・住み慣れた自宅での生活?

・それとも、安心して過ごせる施設の方がいい?

そして、在宅を希望された場合、

「介護をするのは誰?」「一人に負担が集中しない?」など

家族での連携も大切になってきます。

介護は一時的なものではなく、長いお付き合いになることも多いです。

だからこそ、できれば元気なうちに、

ご本人の気持ちや希望を聞いておくことが大事ですね。

高齢者向け施設の種類と特徴をわかりやすく解説!

「施設って、いろいろあるけど違いがわからない…」

そんな方のために、ざっくりご紹介します!

比較的元気な方が対象の施設

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

  • バリアフリーの賃貸住宅で、安心して暮らせる
  • 生活相談や安否確認などのサービスつき
  • 外出・外泊も自由!
  • 必要に応じて訪問介護や通所介護を利用できる

住宅型有料老人ホーム

  • 食事、掃除、見守りなどの生活支援が中心
  • 介護サービスは外部と契約して受けるスタイル
  • イベントやレクリエーションが豊富で、交流の場も◎

介護が必要な方向けの施設

介護付き有料老人ホーム

  • 24時間体制で介護スタッフが常駐
  • 身体介護や生活支援、機能訓練など幅広く対応
  • レクリエーションや行事も多く、手厚いケアが受けられる

特別養護老人ホーム(特養)

  • 公的な施設で、費用も比較的安め
  • 要介護3以上が原則・入居待ちが長い傾向
  • 終身利用できるのが大きな特徴

介護老人保健施設(老健)

  • 病状が落ち着いた人が対象
  • 医師や看護師、リハビリスタッフがいて在宅復帰を目指す
  • 一時的な入所が前提

グループホーム(認知症対応)

  • 認知症の方が少人数で共同生活を送る場所
  • 地域密着型で、家庭的な雰囲気
  • 住民票がその市区町村にあることが条件

親の介護意向の確認方法・上手な切り出し方

まだ元気なうちに介護の話をするのって、ちょっと勇気がいりますよね。

私も両親に「もしもの時はどうしたい?」と切り出したら、

「勝手にボケ老人にするな!」と笑いながら怒られたことがありました。

でも最近は80代になり、少しずつ現実的に考えてくれるように。

実家に帰省したときは一緒に散歩しながら、

「どっちが先に旅立ったら、お父さんたちはどうしたいの?」なんて話を、

ぽつりぽつり聞くようにしています。

介護は本当に突然やってくるもの。

親の気持ちを知っておくだけで、いざというとき家族として大きな安心につながります。

今回のまとめ:親の介護方針を考えるために

親の介護方針を知っておくことは、「家族の心の準備」になります。

なぜなら、突然の入院や要介護状態に直面したとき、慌てずに判断できる土台になるからです。

  • 「どこで暮らしたいか」
  • 「施設に入る意思はあるか」
  • 「必要なサポートは何か」

などを、事前に話しておけば、選択肢に迷わず対応できます。

親の希望を知っておくことは、家族みんなの安心につながる第一歩です。


この記事を読んで、

「親の意向を考える前に、そもそも親の現状を整理しておきたい」と感じた方へ。

あわせて第1話もチェックしてみてくださいね!

▶詳しくはこちら **親の介護が突然必要に!備えておくべきポイント**【第1話】

親の介護が突然必要に!備えておくべきポイント【第1話】
突然始まることの多い「親の介護」。この記事では、親の病歴や服薬状況の把握、事前にできる準備についてわかりやすく紹介します。

【体験談】親の本音と私の気づき

定年したばかりの60代から70代の頃、両親は移住した八ヶ岳の麓で、

ゴルフ・スキー・山登りと、人生を存分に楽しんでいました。

父は昭和10年代の生まれで頑固な性格 。

「健康で、いつまでもこの自然の中で生きる。老人の集まるような所には行かない!」とよく話していました。

そんな父が、ある日の散歩中にふと「さくらには迷惑をかけない、 最後は施設でいい。」とつぶやいたとき、私は何も返す言葉がありませんでした。

親は、いつまでも親なんですね。

我が子の幸せを、どんな時でも一番に願ってくれているのだと思います。

両親も、私自身も、後悔のないように……….

この先も、少しずつ話し合っていきたいと思います。

これから介護が待っている方も、いま介護に奮闘している方も。

あなたのご両親を大切に、そして、あなた自身のこともどうか大切にしてください。

次回予告

親の介護が突然必要に!介護保険・前編【第3話】についてお届けします。

「介護保険って、どんなときに使えるの?」「相談はどこに行けばいいの?」そんな初めての疑問に、看護師の視点でわかりやすくお答えします。

ぜひ、読みに来てくださいね。

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