こんにちは、看護師歴30年のさくらです。
親の老いと向き合いながら、50代の今を大切に暮らしています。
突然始まることの多い「親の介護」。
ある日、病院からの一本の電話で状況が一変する――そんな経験はありませんか?
このブログでは、看護師としての経験を活かし、
家族や患者さんから寄せられるリアルな声をもとに、
同じ立場の方へ役立つ情報をお届けしています。
今回は、**「親の介護方針・暮らしの希望を知る」**ことの大切さをお伝えします。

いざという時にあわてないために、次の3つのことを意識しておくことが重要です。
- 「両親の“意向”を事前に知っておくこと」
- 「施設の種類を含めた選択肢を理解しておくこと」
- 「自然な会話で意向を確認しておくこと」
例えばこんなこと、確認できていますか?
- 親は自宅で過ごしたいのか?
- 施設に入ることも考えているのか?
- どんなサポートが必要なのか?
これらをあらかじめ知っておくだけで、介護が必要になったときの選択がスムーズになり、
家族として冷静に対応することができます。
「親の介護方針を知ることは、家族にとっての心の準備」です。
この記事を読めば、親の介護が突然必要になったときにも、落ち着いて対応できるようになります。
病院でよくあるシーン:親の希望と家族の葛藤

「家の段差でつまずいて、転んで手をついたら折れちゃって・・・」

「普段元気で暮らしてるから、母から連絡が来てびっくりです!」

「大変でしたね。
明日からの入院ですが、当日手術で翌日には退院できますからね。
手術翌日の午前中には帰れますよ。」

「えっ!困りますけど。
私達姉妹は全員働いていて、母は一人暮らしなんです。
もとに戻るまで、入院させてください!」

「お気持ちはお察しいたします。
主治医から説明があったように、術後はリハビリ通院になります。
今回のことをきっかけに万が一に備え、今後のことを家族で話合えるといいですね。」

「私は自宅が一番いいから、施設とか老人の集まりは嫌!」

「お母さん、私達だって仕事や家庭があるのよ!」
口喧嘩がはじまる…………
*この会話は、看護師としての経験をもとに再構成した一例です。
実際には病院・ケアマネジャーなどの専門職に相談しながら進めましょう。
万が一に備えて、親の意向を話し合っておこう(在宅 or 施設?)
今回のケースは「骨折で急遽手術→すぐ退院」という流れでしたが、
突然の入院って、実は意外と身近に起こるんです。
たとえば、脳出血や脳梗塞で倒れて…なんてことも、珍しくありません。
そんなとき困るのが「このあと、どうする?」という話。
親の希望は…
・住み慣れた自宅での生活?
・それとも、安心して過ごせる施設の方がいい?
そして、在宅を希望された場合、
「介護をするのは誰?」「一人に負担が集中しない?」など
家族での連携も大切になってきます。
介護は一時的なものではなく、長いお付き合いになることも多いです。
だからこそ、できれば元気なうちに、
ご本人の気持ちや希望を聞いておくことが大事ですね。
高齢者向け施設の種類と特徴をわかりやすく解説!
「施設って、いろいろあるけど違いがわからない…」
そんな方のために、ざっくりご紹介します!
比較的元気な方が対象の施設
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
- バリアフリーの賃貸住宅で、安心して暮らせる
- 生活相談や安否確認などのサービスつき
- 外出・外泊も自由!
- 必要に応じて訪問介護や通所介護を利用できる
住宅型有料老人ホーム
- 食事、掃除、見守りなどの生活支援が中心
- 介護サービスは外部と契約して受けるスタイル
- イベントやレクリエーションが豊富で、交流の場も◎
介護が必要な方向けの施設
介護付き有料老人ホーム
- 24時間体制で介護スタッフが常駐
- 身体介護や生活支援、機能訓練など幅広く対応
- レクリエーションや行事も多く、手厚いケアが受けられる
特別養護老人ホーム(特養)
- 公的な施設で、費用も比較的安め
- 要介護3以上が原則・入居待ちが長い傾向
- 終身利用できるのが大きな特徴
介護老人保健施設(老健)
- 病状が落ち着いた人が対象
- 医師や看護師、リハビリスタッフがいて在宅復帰を目指す
- 一時的な入所が前提
グループホーム(認知症対応)
- 認知症の方が少人数で共同生活を送る場所
- 地域密着型で、家庭的な雰囲気
- 住民票がその市区町村にあることが条件
親の介護意向の確認方法・上手な切り出し方
まだ元気なうちに介護の話をするのって、ちょっと勇気がいりますよね。
私も両親に「もしもの時はどうしたい?」と切り出したら、
「勝手にボケ老人にするな!」と笑いながら怒られたことがありました。
でも最近は80代になり、少しずつ現実的に考えてくれるように。
実家に帰省したときは一緒に散歩しながら、
「どっちが先に旅立ったら、お父さんたちはどうしたいの?」なんて話を、
ぽつりぽつり聞くようにしています。
介護は本当に突然やってくるもの。
親の気持ちを知っておくだけで、いざというとき家族として大きな安心につながります。

今回のまとめ:親の介護方針を考えるために
親の介護方針を知っておくことは、「家族の心の準備」になります。
なぜなら、突然の入院や要介護状態に直面したとき、慌てずに判断できる土台になるからです。
- 「どこで暮らしたいか」
- 「施設に入る意思はあるか」
- 「必要なサポートは何か」
などを、事前に話しておけば、選択肢に迷わず対応できます。
親の希望を知っておくことは、家族みんなの安心につながる第一歩です。
この記事を読んで、
「親の意向を考える前に、そもそも親の現状を整理しておきたい」と感じた方へ。
あわせて第1話もチェックしてみてくださいね!
▶詳しくはこちら **親の介護が突然必要に!備えておくべきポイント**【第1話】

【体験談】親の本音と私の気づき
定年したばかりの60代から70代の頃、両親は移住した八ヶ岳の麓で、
ゴルフ・スキー・山登りと、人生を存分に楽しんでいました。
父は昭和10年代の生まれで頑固な性格 。
「健康で、いつまでもこの自然の中で生きる。老人の集まるような所には行かない!」とよく話していました。
そんな父が、ある日の散歩中にふと「さくらには迷惑をかけない、 最後は施設でいい。」とつぶやいたとき、私は何も返す言葉がありませんでした。
親は、いつまでも親なんですね。
我が子の幸せを、どんな時でも一番に願ってくれているのだと思います。
両親も、私自身も、後悔のないように……….
この先も、少しずつ話し合っていきたいと思います。
これから介護が待っている方も、いま介護に奮闘している方も。
あなたのご両親を大切に、そして、あなた自身のこともどうか大切にしてください。
次回予告
●親の介護が突然必要に!介護保険・前編【第3話】についてお届けします。
「介護保険って、どんなときに使えるの?」「相談はどこに行けばいいの?」そんな初めての疑問に、看護師の視点でわかりやすくお答えします。
ぜひ、読みに来てくださいね。
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