こんにちは、看護師歴30年のさくらです。
親の老いと向き合いながら、50代の今を大切に暮らしています。
このブログでは、看護師としての経験から日々寄せられるご家族の相談ごとや、同じ立場の方に役立つ情報をお届けしています。
離れて暮らす両親に会ったとき、「足腰が弱ったなぁ」と老いを感じたことはありませんか?
「そろそろ親のこと、気にしないと……」と思い始めたあなたへ。

今だからこそ、備えておけることがたくさんあります。
この記事を読めば、親の介護が突然必要になったときにも、落ち着いて対応できるようになります。
今回は、『親の現状を把握しておくこと』『準備しておくべきこと』についてお伝えしたいと思います。
親が急に入院したときの手続きポイント
これは、私が看護師として実際に現場で経験したケースをわかりやすく再現した会話例です。

「今までどんな病気で入院しましたか?手術歴など、時系列で教えてください」

「えーっと……うーん、なんだっけな……」
(横の息子に目配せ)

「長男さん、ご存知ですか?」

「知らないよ、あんたのことだろ」
(父親にいらっとしながら返答)

「80年も生きてたら、忘れるよ(笑)」

「お薬手帳はお持ちですか?お薬の内容から、大体のことはわかるのですが」

「手帳なぁ、家のどっかにあったな。今日は持ってこなかったよ」

「持ってこいよ」
プチ喧嘩が始まる…….
笑い話のようですが、こうしたやり取りはよくあります。
実際の現場でも、家族が両親の病歴を把握していないケースはとても多いです。
*「このように聞かれるのでメモしておくと安心です。」
親の健康状態を事前に把握しておく
〜もしものとき、あわてないために〜
突然、「入院です」と言われたとき、
病院で「どんな病歴がありますか?」「お薬は何を?」と聞かれて、
**「えっと…わからない…」**と答えること、意外と多いんです。
離れて暮らしていると特に、親の体のこと、どこまで知っているかあやふやになりがち。
でも、少し準備しておくだけで、もしものときに落ち着いて動けます。
親の病歴や体の状態、ちょっとだけメモしておこう
過去にかかった病気や手術歴などは、時系列で簡単にメモしておくと便利です。
スマホでも、紙のメモでもOK。以下のように書くとわかりやすいです。
記入例)
40歳 高血圧 内服中 はなまるクリニック通院中
50歳 胆石症 手術 にこにこ病院 治癒
スマホに入力しておくのも良いですが、親世代はスマホ操作が不安な方も多いため、
紙に書いて保険証と一緒に持たせると安心です。
お薬手帳は「治療歴の大切な情報」
お薬手帳って、あまり見返さないかもしれませんが、
治療や処置を判断するうえで、とても大切な情報源になります。
例えば手術や検査、入院時に「この薬は中止したほうがいいかどうか」を判断する材料にもなります。
●おすすめは…
保険証・介護保険証・お薬手帳をセットで管理
離れて暮らしているなら、お薬手帳のページをスマホで撮って保存しておくと安心です。
緊急連絡先は家族の誰にする?
実は病院で困ることのひとつが、緊急時の連絡先がはっきりしないこと。
- 「子どもに迷惑をかけたくない」と親が言って連絡を避けたがる
- 携帯は持ってるけど、携帯操作方法がわからない
- 電話番号を知らず、LINEだけでつながっている
普段から「誰に連絡してほしいか」を、家族で話し合っておくことが大切です。
紙に書いて財布に入れておく、メモして保険証と一緒に保管しておくのもおすすめです。
アレルギー、ありませんか?
もしものとき、医療側が気になるのがアレルギーの有無。
- 薬(抗生剤、鎮痛剤など)
- 食べ物(エビ、そばなど)
- 消毒用アルコール
- 採血や注射で使うゴム製品・医療用ゴム手袋(意外と多いです)
こういったアレルギーがあるかどうか、
家族間であらかじめ共有しておくと、緊急時もスムーズです。

まとめ
● 親の病歴や手術歴は、簡単にメモしておく(スマホ or 紙)・家族と共有
● お薬手帳は保険証とセットで保管・家族と共有
● 緊急連絡先の優先順位は、家族で話し合って明確に
● アレルギーの有無も、忘れずにチェック!
この一手間が、未来の自分や親を助けることにつながります。
「まだ大丈夫」と思っている今こそ、そっと準備を始めてみませんか?
少しの心がけで、いざというときにも落ち着いて親と向き合えるはずです。
参考までに我が家のケースも紹介します
私の両親は現在、父が83歳、母が81歳。
山好きな二人は、定年後に憧れだった八ヶ岳の麓へと移住しました。
60代の頃は元気そのもので、登山、スキー、ゴルフなどアクティブな日々。
父は畑仕事、母はその野菜で料理を作り、ご近所にお裾分けするのが生きがいです。
父はこれまでに心筋梗塞で2度緊急で治療を受けています。
母は膠原病という持病がありますが、今はありがたいことに2人とも元気に暮らしています。
でも、少しずつ感じる「不安」
そんな母が、80代に入った頃から、電話越しにこう漏らすようになりました。
「長生きできるのは幸せなことだけど、不安になるの。毎日、ついマイナスに考えちゃって…」
私の家から両親の家までは車で約230km、3時間半の距離。
何かあってもすぐに駆けつけられないことが、母の不安を強くしているようです。
50代はまだまだ自分も忙しい年代、きっと読者さんも同じ思いではと察します。
私自身も、そろそろ「介護」という現実が迫ってきているのを感じています。
この記事が、少しでも「何か始めてみようかな」と思うきっかけになれたら嬉しいです。
次回予告
● 親の介護が突然必要に!介護方針・希望の確認ポイント【第2話】についてお届けします。
「自宅?施設?どんな選択があるの?」と迷ったときに役立つ、情報をお伝えします。
ぜひ、読みに来てくださいね。
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