親の介護が突然必要に!介護保険 前編【第3話】

「突然起こる親の介護に備える③」親の退院前に慌てない!介護保険の基本を知ろう、と書かれたブログのアイキャッチ画像。 介護のはなし

こんにちは、看護師歴30年のさくらです。

親の老いと向き合いながら、50代の今を大切に暮らしています。

このブログでは、看護師としての経験から日々寄せられるご家族の相談ごとや、同じ立場の方に役立つ情報をお届けしています。

「主治医から“そろそろ退院ですね”と言われたものの、体力が落ちた親を前に『このまま自宅に戻って大丈夫?』と戸惑った経験はありませんか?

前回は「親の介護方針や希望をどう確認するか」についてお伝えしました。

いざという時に慌てないためにも、本人の気持ちを事前に知っておくことの大切さを、お話ししましたね。

でも実際には、病院で「そろそろ退院できますよ」と突然告げられて、「このまま自宅で暮らせる?」「介護保険の申請ってどうするの?」と準備が間に合わず、戸惑ってしまう方がとても多いのです。

退院前の相談風景。高齢の男性患者と、介護保険について説明する女性看護師。書類には「介護保険」と書かれており、退院後の生活に向けた支援を話し合っている様子。

今回はそんな不安を少しでも軽くするためにーー

**退院前に知っておきたい「介護保険の基本」と「相談できる場所」**について、

私の看護師経験をもとに、わかりやすくお伝えします。

介護の第一歩でつまずかないように、この先の生活を安心してスタートできるよう、一緒に準備していきましょう。

病院でよくあるシーン (退院前の相談内容)

患者さん
患者さん

「大腸がんの手術をして、明日退院できるそうだけど、

すっかり体力が落ちてしまって……

ばあさんと二人暮らしで、家に帰ってからの生活が心配。

介護保険被保険者証は持ってるけど、どうやってサービスを受けるの?

今回の入院費は安くなるの?」

看護師
看護師

まずはお住まいの地域包括支援センターに相談してみてください。

必要があれば、そこから居宅介護支援事業所を紹介してもらえますよ。」

居宅介護支援事業所とは?
自宅で介護サービスを受けるための相談窓口で、ケアマネジャーが在籍し、必要な支援や計画の相談ができます。

患者さん
患者さん

「何だか大変そうだなぁ。

息子たちは近くに居るけど、迷惑かけたくないしなぁ…..」

看護師
看護師

「遠慮せずに、お子さんに相談しても大丈夫ですよ。」

入院前はご夫婦で元気に過ごしていたけど、術後の体力が落ちて、

退院後、自宅での生活に不安がある方は多いですね。

このあと、介護保険制度について、簡単にまとめますね。

この会話は、看護師としての経験をもとに再構成した一例です。

実際には病院・ケアマネジャーなどの専門職に相談しながら進めましょう。

介護保険とは?

ご両親が年をとって体力が落ちたり、ご病気で一人で生活をすることが困難になった時に、助けてもらうための制度が「介護保険」です。

この介護保険で助けてもらうためには、まず「介護が必要な人」だと認めてもらう必要があります。

これを「介護認定」と言います。

介護保険の支給はお金ではなく、介護保険サービスという現物支給で、さまざまなサービスがあります。

  • 訪問看護
  • 訪問介護
  • 通所型サービス
  • 福祉用具貸与
  • 住宅改修
  • 短期入所生活介護

など、さまざまなサービスが提供されます。

今回は介護保険サービスの全体像をお伝えしました。

それぞれの詳しい内容については、今後の記事で解説していきますので、ぜひ続けて読んでくださいね!

介護保険の対象者は?

介護保険を使えるのは、主にこの2つのケースがあります。

65歳以上の方

65歳以上の方は、原因を問わず、体が不自由になったり認知症になったりして「介護が必要」と認定されれば、介護保険のサービスを利用できます。

40歳〜64歳の方

この年代の方でも、「加齢によって起こる特定の病気」が原因で介護が必要になった場合には、介護保険を使うことができます。

たとえば、次のような病気が対象です。

  • 若年性認知症(初老期認知症)
  • 脳梗塞や脳出血などの後遺症(脳血管障害)
  • パーキンソン病

など、国で定められた16種類の病気が対象です。

*16種類の病気の詳細は厚生労働省のホームページを参照してください。

介護保険の相談窓口はどこ?

認定の申請窓口は各市区町村ですが、初めての申請は「地域包括支援センター」で、申請相談から代行依頼まで行なうことをオススメします。

地域包括支援センターには、保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーなど専門職が常駐しており、ご両親の状況を丁寧に聞き取りながら、必要な情報やサービスをわかりやすく案内してくれます。

まずは、親御さんの住む地域の包括支援センターの場所・連絡先を把握しておきましょう。

 「いざ」というときに、あわてず行動できますよ。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

親の介護は、準備をしておくことで、いざという時にもあわてずに対応できます。

もしよければ、まだ読んでいない方は、**介護が必要になる前に知っておきたい「親の現状を把握するためのポイント」**もぜひご覧ください。

▶詳しくはこちら **親の介護が突然必要に!備えておくべきポイント**【第1話】

親の介護が突然必要に!備えておくべきポイント【第1話】
突然始まることの多い「親の介護」。この記事では、親の病歴や服薬状況の把握、事前にできる準備についてわかりやすく紹介します。

まとめ

 介護保険とは?

介護保険は、介護が必要になったときに安心して生活を続けるための、大切な公的制度です。

高齢や病気で介護が必要になっても、制度を利用することで在宅生活やサービス利用が可能になります。

特に、初めての申請時には「どこに相談したらいいのか分からない」と不安になる方も少なくありません。

そのようなときは、地域包括支援センターを活用することで、状況に合った支援を受けながら、スムーズに手続きを進めることができます。

困ったときに慌てないためにも、制度の基本を知っておくことが、介護の第一歩になります。

次回予告

**親の介護が突然必要に!介護保険・後編【第4話】**についてお届けします。

引き続き、制度の利用手続き・申請からサービスの流れについて詳しく解説していきます。
ぜひ、読みに来てくださいね。

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