こんにちは、看護師歴30年のさくらです。
親の老いと向き合いながら、50代の今を大切に暮らしています。
このブログでは、看護師としての経験から日々寄せられるご家族の相談ごとや、同じ立場の方に役立つ情報をお届けしています。
「主治医から“そろそろ退院ですね”と言われたものの、体力が落ちた親を前に『このまま自宅に戻って大丈夫?』と戸惑った経験はありませんか?
前回は「親の介護方針や希望をどう確認するか」についてお伝えしました。
いざという時に慌てないためにも、本人の気持ちを事前に知っておくことの大切さを、お話ししましたね。
でも実際には、病院で「そろそろ退院できますよ」と突然告げられて、「このまま自宅で暮らせる?」「介護保険の申請ってどうするの?」と準備が間に合わず、戸惑ってしまう方がとても多いのです。

今回はそんな不安を少しでも軽くするためにーー
**退院前に知っておきたい「介護保険の基本」と「相談できる場所」**について、
私の看護師経験をもとに、わかりやすくお伝えします。
介護の第一歩でつまずかないように、この先の生活を安心してスタートできるよう、一緒に準備していきましょう。
病院でよくあるシーン (退院前の相談内容)

「大腸がんの手術をして、明日退院できるそうだけど、
すっかり体力が落ちてしまって……
ばあさんと二人暮らしで、家に帰ってからの生活が心配。
介護保険被保険者証は持ってるけど、どうやってサービスを受けるの?
今回の入院費は安くなるの?」

「まずはお住まいの地域包括支援センターに相談してみてください。
必要があれば、そこから居宅介護支援事業所を紹介してもらえますよ。」

「何だか大変そうだなぁ。
息子たちは近くに居るけど、迷惑かけたくないしなぁ…..」

「遠慮せずに、お子さんに相談しても大丈夫ですよ。」
入院前はご夫婦で元気に過ごしていたけど、術後の体力が落ちて、
退院後、自宅での生活に不安がある方は多いですね。
このあと、介護保険制度について、簡単にまとめますね。
●この会話は、看護師としての経験をもとに再構成した一例です。
実際には病院・ケアマネジャーなどの専門職に相談しながら進めましょう。
介護保険とは?
ご両親が年をとって体力が落ちたり、ご病気で一人で生活をすることが困難になった時に、助けてもらうための制度が「介護保険」です。
この介護保険で助けてもらうためには、まず「介護が必要な人」だと認めてもらう必要があります。
これを「介護認定」と言います。
介護保険の支給はお金ではなく、介護保険サービスという現物支給で、さまざまなサービスがあります。
- 訪問看護
- 訪問介護
- 通所型サービス
- 福祉用具貸与
- 住宅改修
- 短期入所生活介護
など、さまざまなサービスが提供されます。
今回は介護保険サービスの全体像をお伝えしました。
それぞれの詳しい内容については、今後の記事で解説していきますので、ぜひ続けて読んでくださいね!
介護保険の対象者は?
介護保険を使えるのは、主にこの2つのケースがあります。
65歳以上の方
65歳以上の方は、原因を問わず、体が不自由になったり認知症になったりして「介護が必要」と認定されれば、介護保険のサービスを利用できます。
40歳〜64歳の方
この年代の方でも、「加齢によって起こる特定の病気」が原因で介護が必要になった場合には、介護保険を使うことができます。
たとえば、次のような病気が対象です。
- 若年性認知症(初老期認知症)
- 脳梗塞や脳出血などの後遺症(脳血管障害)
- パーキンソン病
など、国で定められた16種類の病気が対象です。
*16種類の病気の詳細は厚生労働省のホームページを参照してください。
介護保険の相談窓口はどこ?
認定の申請窓口は各市区町村ですが、初めての申請は「地域包括支援センター」で、申請相談から代行依頼まで行なうことをオススメします。
地域包括支援センターには、保健師・社会福祉士・主任ケアマネジャーなど専門職が常駐しており、ご両親の状況を丁寧に聞き取りながら、必要な情報やサービスをわかりやすく案内してくれます。
まずは、親御さんの住む地域の包括支援センターの場所・連絡先を把握しておきましょう。
「いざ」というときに、あわてず行動できますよ。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
親の介護は、準備をしておくことで、いざという時にもあわてずに対応できます。
もしよければ、まだ読んでいない方は、**介護が必要になる前に知っておきたい「親の現状を把握するためのポイント」**もぜひご覧ください。
▶詳しくはこちら **親の介護が突然必要に!備えておくべきポイント**【第1話】


まとめ
● 介護保険とは?
介護保険は、介護が必要になったときに安心して生活を続けるための、大切な公的制度です。
高齢や病気で介護が必要になっても、制度を利用することで在宅生活やサービス利用が可能になります。
特に、初めての申請時には「どこに相談したらいいのか分からない」と不安になる方も少なくありません。
そのようなときは、地域包括支援センターを活用することで、状況に合った支援を受けながら、スムーズに手続きを進めることができます。
困ったときに慌てないためにも、制度の基本を知っておくことが、介護の第一歩になります。
次回予告
●**親の介護が突然必要に!介護保険・後編【第4話】**についてお届けします。
引き続き、制度の利用手続き・申請からサービスの流れについて詳しく解説していきます。
ぜひ、読みに来てくださいね。
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