こんにちは、さくらです。
「親が突然倒れて救急搬送された」「病院から急な連絡が入った」
そんなとき、どう動けばいいのか戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。
私が勤務する病院の現場でも、突然の入院に戸惑うご家族の姿をよく見かけます。
「何を持っていけばいいの?」「誰が対応すればいいの?」迷ってしまうのは当然のこと。

この記事では、看護師として30年以上勤務する私が、親の突然の入院や介護への備えについて、同じ50代の皆さんに役立つ情報をお届けしています。
今回は「親御さんが突然入院!」というケースを想定して、以下のような疑問にお答え
していきます。
- 入院時に必要な持ち物とは?
- キーパーソンは誰が最適?
- 手続きに必要な書類の種類とは?
突然の入院に慌てないために、事前に備えておきたいポイントをわかりやすく解説します。
いざという時に落ち着いて対応できるよう、ご自身やご家族の安心につながる内容をお届けします。
入院時に必要な持ち物とは?

親御さんが突然倒れて、救急車で病院に搬送。
着の身着のまま、靴も履かずに緊急入院――。
医師からの病状説明、看護師からの質問、提出書類の確認…
頭の中がパニックになってしまい、何をどうすればいいか分からなくなる方も少なくありません。
病院の廊下で不安そうに立ち尽くすご家族の姿を、私は何度も見てきました。⸻
では、ここから緊急入院になった場合に必要となる持ち物を、優先度の高いものから見ていきましょう。
入院時にあると安心な持ち物リスト(優先度の高いもの)
●健康保険証・介護保険証
●診察券(あれば)
●お薬手帳
●持病・病歴がわかるメモ
◆書き方は**親の介護が突然必要ように!備えておくべきポイント!**を参考にしてくださいね。

●履き慣れた靴
※このテーマについては、今後のブログで「入院中に安全な靴とは?」という視点から詳しくご紹介予定です。
●本人の貴重品(家の鍵・必要最低限の現金など)
救急搬送の場合、慌てて出てしまうことで家の鍵をかけ忘れたり、「靴を履かずに緊急搬送」というケースも実際にあります。
そのため、家族があとから持っていくものを事前にメモしておくと安心です。
- 保険証・介護保険証
- かかりつけ病院の名前と電話番号
- お薬手帳
- 親の持病・病歴メモ
- 履物
- 家の合鍵の置き場所 • 緊急時に連絡してほしい人の一覧
入院時に、次に準備しておくと安心なもの

入院の説明を受けた際に、看護師から「あとでご準備ください」と伝えられるのが下記です。
必要度はやや下がるけれど、あらかじめ知っておくと後で慌てませんよ。
- 親御さんが現在使用している薬 (内服薬・目薬・塗り薬など)
- 日常生活に必要な補助具(眼鏡・補聴器・入れ歯など)
※これらがないと、慣れない入院生活での不安や混乱につながることもあるため、できるだけ早めに準備・持参できるとベターです。 - パジャマ・おむつ(必要であれば)
*「病院でもらう説明書きだけでは、どこまで用意すべきか分からない」という声をよく耳にします。
病院の物品レンタルや病衣の扱いは病院によって異なります、**「これは家から持ってくる?それとも病院で用意できる?」**と迷ったときは、遠慮せずに看護師さんに確認してみてください。
キーパーソンは誰が最適?

キーパーソンとは、家族側の窓口のことです。
患者の治療方針やケアについて家族や医療スタッフと調整し、重要な意思決定や連絡の窓口となる代表者のことです。
入院時には、看護師から「緊急時の連絡先を2〜3名ほど教えてください」と聞かれることがほとんどです。
いざという時にスムーズに連絡が取れるよう、家族であらかじめ話し合って、最も連絡がつきやすい人を第一連絡先(キーパーソン)に設定しておくと安心です。
キーパーソンに求められる役割とは?
緊急入院の直後には、主治医からの治療方針や今後の見通しについての説明があります。
また、親御さんの急な容体変化や、病院側からの確認事項など、重要な連絡がキーパーソンに入る
ケースが多いのが現実です。
さらに退院が近づくと、「退院前カンファレンス」と呼ばれる話し合いの場が設けられ、今後の生活をどうサポートしていくか、介護や通院の体制について相談することになります。
そのため、「忙しくて全く電話に出られない方」や「連絡事項を他の家族に伝えないタイプ」の
方がキーパーソンになると、実はちょっと困る…というケースもあります。
手続きに必要な書類の種類とは?

入院の際には、さまざまな書類の記入が求められます。
相談室でも「沢山の書類を渡されたけど、書き方がわからない。」
というご質問をよくいただきます。
順番に説明していきますね。
代表的な書類の一例
- 入院申込書
- 入院誓約書
- 連帯保証人記入欄
- 個人情報に関する同意書
- アレルギー問診票
- 検査同意書
- 手術同意書
- 麻酔同意書(手術が必要な場合)
- 輸血同意書 • 延命治療に関する同意書 など
特に注意しておきたいのは「延命治療」に関する書類。
ご本人が「回復の見込みがない状態」や「意思表示ができなくなった場合」に備えて、今後の医療方針をどうするかを、書面で確認する必要が出てくることがあります。
そのため、日頃から親御さんの意向を聞いておくことが、とても大切になります。
下記ホームページの内容を参考にしてみてください。
アドバンス・ケア・プランニング(ACP)ー人生会議ー
「▶詳しくはこちら」https://www.tokyo.med.or.jp/citizen/acp
🟢 ご高齢の親御さんが手続きに戸惑うことも
上記のように、入院時には数多くの書類を一気に渡されることも少なくありません。
特に高齢の親御さんにとっては、内容を理解してサインすることが難しい場面もあります。
そうした時には、ご家族がそばでサポートしたり、代わりに確認・同意が必要になることも。
「急にこんなに?」と焦らないよう、家族で協力して準備しておくことが大切です。

親の突然の入院に備えて、今できる準備を整えておくことが、家族の安心と落ち着いた対応につながります。
救急搬送のような急な出来事では、誰でも動揺してしまうものです。
そんなときこそ、あらかじめ必要な情報や書類を整理しておけば、いざという時に冷静に行動できます。
- 健康保険証、介護保険証、診察券(あれば)、お薬手帳などをひとまとめにしておく
- 病歴や服薬状況のメモも一緒に保管しておく
- 家族でキーパーソンを決めておき、必要な書類を整えておく
- 延命処置などについては、ふだんから親御さんの意思を確認しておく
「備えておいてよかった」と思えるような行動を、今日から一緒に始めてみませんか?
最後に読んで欲しい我が家の実例|突然は、いつか必ずやってくる
「親が突然倒れたらどうしよう」
そう思っていても、現実には“その時”は突然やってきます。
私の父も、ある年のお正月、元日の朝に心筋梗塞で救急搬送されました。
私はその日、病院で深夜勤務に入る直前で、母からの連絡を受けました。
すぐには動けず、勤務明けに4時間かけて病院に向かったことを今でも覚えています。
母から「カテーテル治療が終わり、ICUに入っている」と聞かされていたものの、道中は不安でいっぱいでした。
でも、父の服薬や通院のこと、医療保険証の場所など、日頃から母がしっかり管理してくれていた
おかげで、私が困ることは何ひとつありませんでした。
そして、病院に着いたとき、母は私の顔を見た瞬間、ほっとしたように力が抜けていました。
命にかかわる場面では、医療者であっても冷静でいられないものです。
だからこそ、「普段から備えておくこと」がどれほど大切かを、私は身をもって知っています。
このブログでは、そんな「リアル」も交えながら、同じような不安を抱える方の役に立つ情報を、これからもお伝えしていきます。
次回予告
今回は「突然の入院」に慌てないための準備についてお伝えしましたが、入院はゴールではありません。
退院後の生活をどう支えるかが、これからの大切なテーマになります。
次回は、私が相談を受けたご夫婦の事例を通して、**「退院後の生活を支える介護サービスと宅配食」病院で出会ったご夫婦の実例**という内容でお届けしたいと思います。
また、ぜひ読みに来てくださいね。
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