こんにちは、看護師歴30年のさくらです。
親の老いと向き合いながら、50代の今を大切に暮らしています。
このブログでは、看護師としての経験から日々寄せられるご家族の相談ごとや、同じ立場の方に役立つ情報をお届けしています。
今回は、「突然、親の介護が必要になったとき」に知っておきたい【ケアマネジャー】さんのお話です。
- 「ケアマネジャーさんってどんな人?」
- 「どう選べばいいの?」
- 「もし合わなかったら、途中で変えることもできるの?」
そんな疑問や不安を感じたことはありませんか?

私自身も、医療の現場でご家族から何度も同じような質問を受けてきました。
親御さんの体調が急に悪化して、「介護保険の申請をしてください」と言われても、何から始めればよいのか戸惑う方がほとんどです。
中でもケアマネジャーさんは、介護のスタートからずっと関わっていく大切な存在。
だからこそ、「誰にお願いしたらいいの?」「どんな人が向いてるの?」と迷ってしまうのは当然のことです。
この記事では、ケアマネジャーさんの基本的な役割や選び方、もし相性が合わなかったときの変更方法について、わかりやすくお伝えしていきます。
ケアマネジャーとは?どんな役割の人か解説
ケアマネジャーは介護支援専門員のことで、介護が必要になった人と、その家族をサポートしてくれる「介護の専門家」です。
*ケアマネジャーについて詳しくは日本介護支援専門員協会:介護支援専門員とはhttps://www.jcma.or.jp/?p=21659も参考にしてください。
ケアマネジャーさんの仕事内容

「名前は聞いたことあるけど、どんな人?」と思う方も多いかもしれません。
親御さん、家族に寄り添ってくれる、介護生活の強い味方なんです。
(看護師歴30年の筆者コメント)
介護の計画書(ケアプラン)を作成
どんなことで困っていて、どんな助けが必要かをご本人や家族から聞き、ご本人の体や心の状態、家族背景を考慮してオーダーメイドでプランを立てます。
例えば、
- 月曜日と木曜日はデイサービス(仲間とお食事、レクリエーションを楽しんで、お風呂も利用)
- 水曜日はヘルパーさんに来てもらう(お買い物やおそうじをお願いする)
など、一人ひとりに合わせてオーダーメイドのプランを一緒に考えてくれます。
介護サービスや病院、地域との連絡
介護サービスを提供する会社(ヘルパーさん・デイサービス・訪問看護など)や病院のお医者さん、地域の人たちと利用者の間に立って連絡をとってくれます。
介護のことで困った時の相談役
例えば、独居の親御さんが急な入院ーー
「退院したらしばらく一人で生活できないしどうしよう?」といった時に相談できる存在です。
その都度、親御さんの状況でケアプランを立ててくれます。
定期的なモニタリングとケアプランの見直し
定期的に親御さんの自宅を訪問してくれます。
要介護では毎月、要支援では3ヶ月に一度です。
サービスが適切に提供されているか確認し、ケアプランの見直しをしてくれます。
ケアマネジャーさんの選び方
初めて選ぶときは、まずは、お住まいの地域の「地域包括支援センター」で、相談しましょう。
ここに相談すると、介護認定の申請手続き代行だけでなく、親御さんや家族のご希望に合った、ケアマネジャーやケアマネジャーが所属する会社(居宅介護支援事業所)をいくつか紹介してくれます。
「この人なら安心して相談できそう。」と思う人を選びましょう。
介護の知識や経験が豊富なケアマネジャーはなお心強い存在となります。
ケアマネジャーさんを変更したいときは
介護は長期になることも少なくありません。
急な入院で焦ってケアマネジャーをお願いしたけど、「何だか不安」「やっぱり合わない」と思ったら変更は可能です。
もし変更のことで悩んだときは、遠慮せずにお世話になっている居宅介護支援事業所に相談してもよいですし、別の事業所に変更して、前の事業所に連絡を入れてもらうことも可能です。

ケアマネジャーは、介護生活の“はじまり”を支えてくれる心強い存在です。
介護が必要になったとき、まず相談する相手がケアマネジャーさん。
介護保険の申請から、サービスの調整、ご家族の気持ちのフォローまで、ずっと寄り添ってくれます。
たとえば、私の勤務する病院でも、退院時にケアマネジャーが関わることで、ご家族の不安がぐっと和らぎ、在宅生活を安心してスタートできたという声をたくさん聞いています。
だからこそ、「この人なら任せられる」と思えるケアマネジャーを選ぶことが大切です。
合わないと感じたときには、変更することもできます。
“介護のはじまり”を、信頼できる人と一緒に踏み出しましょう。
なお、介護保険のしくみや申請の流れについては、
以下の記事で詳しく紹介しています。
▶詳しくは **親の介護が突然必要に!介護保険・前編**【第3話】

▶詳しくは**親の介護が突然必要に!介護保険・後編**【第4話】

*なお、介護保険制度や申請の詳細については
厚生労働省の公式ページも参考になります。
▶ 介護サービス利用までの流れ(厚生労働省)
合わせて読みたい:病院での家族の相談事例

「転んで、腕の骨折ですね。 明日入院で当日手術、翌日には退院ですよ。」

「一人暮らしなので、翌日に退院は困ります。
3姉妹で相談して、病院に置いてもらえるように、今日は次女の私が代表で、お願いに来ました。
私たち3人とも忙しく働いてるので、困るんです」

「現在介護サービスをご利用中ですね。
一度、ケアマネジャーさんに相談してみましょう。
私からも担当のケアマネジャーさんに連絡を入れても大丈夫ですか?」

「お願いします。」
急なことでご家族がかなり動揺されていることが、度々あります。
今回のケースは、既に「小規模多機能型居宅介護(※通い・宿泊・訪問を柔軟に組み合わせて利用できる介護サービス)」という介護サービスを受けておられる方だったので、ケアマネジャーさんに連絡をさせていただきました。
ケアマネジャーの対応が、神対応で家族背景をよくご理解されており、長女さんから、「転んで骨折したかもしれない」と連絡が入った時点で色々とプランを考えて下さっていたようです。
既に退院後のプランがいくつか組まれており、電話口で話すより「今から自宅に直ぐ向かい、ご家族と話し合います。」との素晴らしい返答でした。
救急病院は急性期の対応が中心になるため、退院後に患者さんが安心して過ごせるのは、地域で活躍しておられるケアマネジャーさんはじめ、ヘルパーさん、訪問看護スタッフ等の力添えのお陰ですね。
急な親の介護も、何とかなるものです。突然起こる介護に備えて、地域包括支援センター・ケアマネジャーの役割は再確認しておきましょう。
次回予告
●次回からは3回シリーズで**「初心者でも安心!」介護サービスの種類と選び方①**を詳しくお届けします。
- 居宅サービスの種類とポイント
- 地域密着型サービスの特徴と活用法
- 介護保険で利用できる介護用品の選び方
これからの介護生活に役立つ情報を、わかりやすくお伝えしていきます。
ぜひ、読みに来てくださいね。
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