こんにちは。看護師として30年以上、医療と介護の現場に関わってきたさくらです。
今日は、病院で出会った「小柄で笑顔が素敵な、ちょっとせっかちな元気なおばあちゃん」のお話をしたいと思います。
お買い物から帰って玄関先でスリッパを履こうとして滑り、手を骨折されたとのこと。
入院の手続きでお話を伺うなかで、その明るさと前向きさに、私自身も元気をもらいました。
このお話からは、高齢になっても社会とのつながりを持ち、仲間と笑い合うことの大切さ、そして「ひとりでも楽しく生きる力」について考えるきっかけが見えてきます。
この記事では、そんなおばあちゃんの生き方を通して、看護師の立場から「健康寿命を延ばす5の習慣」について解説します。
読んだ方が少しでも前向きに行動するきっかけになれば幸いです。

- 健康寿命とは
- 60歳から再出発した元気なおばあちゃんのエピソード
- 看護師が解説、健康寿命をのばす5つの習慣
健康寿命とは?
最近よく耳にする「健康寿命」とは、健康上の問題で日常生活に制限がなく、自分らしく暮らせる期間のことです。
たとえば、2022(令和4)年の日本では、平均寿命は
- 男性:81.05歳
- 女性:87.09歳
一方、健康寿命は
- 男性:72.57歳
- 女性:75.45歳
でした。(健康日本21アクション支援~健康づくりサポートネット~より)
つまり、男性では 約8〜9年、女性では 約11〜12年 ものあいだ、介護や医療の手助けが必要になる「不健康な期間」が存在することになります。
この「差」をできるだけ短くして、最期まで自分らしく、好きなことを楽しめる人生を送ってほしいですよね。
この記事では、病院で出会ったおばあちゃんから学ぶ、健康寿命を延ばすための習慣と気づきをご紹介します。
60歳で離婚し第2の人生を自分らしく
彼女は60歳で離婚を決意し、「これからは自分の人生を楽しむ」と決めたそうです。
お子さんは成人し、それぞれに自立しており、「お母さんは十分家族のために尽くしたから、これからは自分の人生を大切にした方がいい」と、離婚を背中から押してくれたといいます。
離婚後は生活を支えるため、75歳までお弁当屋さんでフルタイム勤務。
職場ではその誠実さから「必要とされる人材」として信頼を集めていました。
一方で、彼女は仕事だけにとらわれず、ご自身の時間も大切にしておられました。
ご友人との定期的な喫茶店でのお茶会や、休日の旅行など、「私は毎日やりたいことが多くて忙しいの」「不良おばあちゃんなのよ」と笑う姿が、今も印象に残っています。
その明るさと行動力を見て、「おばあちゃんのように歳を重ねたい」と感じました。
「自分の人生を自分で選び取る力」は、年齢に関係なく人を元気にする。
そう思わせてくれる方でした。

健康寿命を延ばす秘訣
さくら同じ75歳でも、生き方は人それぞれです。
今回のおばあちゃんのように、はつらつとした方もいれば、家の中でテレビを見て一日を過ごす方もいます。
社会的に人と関わる時間を持つ方ほど、心身ともに若々しい傾向があります。
人と関わる時間を大切にする
高齢の方が心身の健康を保つうえで、人との関わりはとても重要です。
特に独居の場合、誰かと会話したり笑い合う時間が、気持ちの安定につながります。
ご家族や友人との交流はもちろんのこと、地域活動・ボランティア・サークルなどへの参加も、
日常に良い刺激をもたらします。
今回のおばあちゃんのように、仕事や趣味を通して「自分にも社会の中での役割がある」と感じられることは、自己肯定感を高め、前向きな気持ちを維持する大きな力になります。
医学的にも、人とのつながりが多い人ほど認知機能の低下が緩やかであるという研究結果もあります。
交流を持つことは、心の健康だけでなく、脳の健康にも良い影響を与えるのです。


小さな外出と体操を習慣にする
外に出て日光を浴び、体を動かすことは、心と体の健康を保つうえで欠かせません。
わざわざ運動をしようと気負わなくても、近所への買い物や散歩、体操教室への参加など、
小さな外出を日課にするだけでも十分。
また、多くの自治体では、「介護予防・日常生活支援総合事業」として、高齢者向けの体操教室や交流サロン、生活支援ボランティア活動などが行われています。
こうした場に参加することで、無理なく体を動かしながら、人とのつながりも保つことができます。
看護師として感じるのは、外出や人との交流を楽しむ方ほど、前向きで生き生きと過ごされているということ。
日中に体を動かすことで、夜の睡眠リズムが整い、気分の落ち込みも軽減されます。
また、筋力やバランス感覚を維持することは、転倒予防にもつながります。
そのためには、足元の安全も大切です。
日常生活に合った履きやすい靴を選ぶことで、転倒のリスクを減らし、外出の楽しみも広がります。
よかったら、「快歩主義」介護シューズの紹介記事も参考にしてください。
【高齢の親の転倒を防ぐ!】看護師が伝えたい、入院・在宅で選ぶべき安全な靴
無理のない範囲で「体を動かす」「誰かと関わる」時間を生活の一部に取り入れること。
それが、元気で長く暮らすための第一歩になるでしょう。


十分な睡眠と休養
十分な睡眠と休養は、体だけでなく心の健康を保つためにも大切です。
ただし、看護師として高齢の方と関わる中で感じるのは、「眠り方のバランス」が崩れている方が意外と多いことです。
夕食後すぐに就寝し、夜8時前には布団へ入る。
そのまま10時間以上眠って、朝の活動時間も短く、日中はテレビをつけたままウトウト…。
そんな生活リズムの方が少なくありません。
「特にやることがないから」と話される方も多いのが現状です。
睡眠は長ければ良いというものではなく、昼と夜のメリハリをつけることが大切です。
朝日を浴びて体内時計を整え、日中は軽く体を動かし、夜はリラックスして質の良い睡眠を取る。
これが、健康寿命を延ばす「眠り方のコツ」です。


バランスの良い食事を意識する
高齢のご夫婦や一人暮らしの方にとって、毎日3度の食事を作ることは、思っている以上に大きな負担です。
買い物も調理も面倒になり、ついパンやおにぎり、インスタント食品などで済ませてしまう方を病院でも多く見かけます。
しかし、偏った食事は体力や筋力の低下を招き、転倒や骨折のリスクを高める原因になります。
さらに、栄養不足が続くとフレイル(心身の虚弱)につながり、病気への抵抗力も弱まってしまいます。
毎日を元気に過ごすためには、肉・魚・卵・大豆・乳製品などのたんぱく質を意識的に摂ること、
そして水分をこまめに取ることが大切です。
「食べること」は、体を整えるだけでなく、心を元気にする行為でもあります。
家族や友人と楽しく食卓を囲む時間は、食事の量を自然に増やし、笑顔や会話を生み出す「心の栄養」にもなります。
「3食作るって大変」と感じる方は、食事制限に対応した民間サービスを検討するのも良いでしょう。
よかったら、下記の記事も参考にしてください。


定期的な健診と受診で健康維持
年齢を重ねると、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、そしてがんの罹患率も高くなります。
退職を機に、今まで職場で受けていた健診を受けなくなる方も多く、「症状が出てから受診する」という方が少なくありません。
しかし、多くの病気は初期の段階では自覚症状がほとんどないのが特徴です。
市や自治体が実施する健康診断は、そうした病気を早期に見つけるための大切な機会です。
少し面倒に感じても、年に一度は健診を受ける習慣を持つことが、健康寿命を守る第一歩になります。
また、持病のある方は、定期受診を欠かさず、内服を自己判断で中止しないことがとても重要です。
「調子が良いから」と薬をやめてしまい、再び体調を崩してしまうケースを多く見てきました。
病気と上手に付き合うためには、継続的な受診と服薬管理が欠かせません。
もう一つ忘れてはならないのが、歯科検診です。
歯や口の健康は、食事・会話・笑顔など日常生活のすべてに関わります。
歯を失ったままにせず、入れ歯や定期的なメンテナンスを行うことで、「食べる力」「話す力」「笑う力」を保つことができます。
体も口も、どちらも健康維持には欠かせません。定期的なチェックと、早めの対応を心がけましょう。


看護師として感じたこと
看護師として多くの高齢者に関わる中で感じるのは、人とのつながりがある人ほど、心も体も健康でいられるということ。
今回出会ったおばあちゃんを見て、社会とのつながりと、自分の役割を持つことの大切さをあらためて感じました。
現場でも、家にこもりがちな方と、日常的に人と関わりを持っている方では、表情の明るさ、行動力、会話のテンポが明らかに違います。
外へ出て、誰かと会い、役割を持って過ごしている方は、年齢を重ねても笑顔が多く、前向きな姿勢が自然と身についているように思います。
そして、そうした方は周りの空気まで明るくしてくれる。
「元気な人は人を元気にする」という言葉の通り、笑顔で過ごしているだけで、その場の雰囲気がやわらかくなるものです。
生き方に正解はありませんが、「人との関わりの中で、自分の時間を楽しむ」という姿勢は、心と体の健康を支える大切な要素だと、看護師として強く感じています。


今日のまとめ
一度きりの人生、できるだけ長く「自分らしく健康で、穏やかに」過ごしてほしい。
これは、誰にとっても共通の願いだと思います。
寿命が延びる時代だからこそ、ただ長く生きるのではなく、「健康寿命をどう延ばすか」がより大切になりました。
健康な時間が長いほど、やりたいことに挑戦でき、人生の満足度も高まります。
そのために必要なのは、特別なことではなく、日々の小さな積み重ねです。
- 誰かと関わり続けること
- 無理のない範囲で体を動かすこと
- 夜にしっかり眠り、休養をとること
- バランスのよい食事を心がけること
- 健康診断や歯科検診で、体の変化に気づくこと
こうした習慣が、心と体を支える「土台」になります。
できることから、まずは一歩。
今日の行動が、明日の「自分らしい暮らし」につながります。
今回出会ったおばあちゃんのように、歳を重ねても笑顔で前向きに過ごす方が、少しでも増えたら嬉しいです。


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